目次 II-5


5 事業継続

事業継続要件

[1] 概 要

 相続の開始前に「経済産業大臣の確認」を受け、相続の開始後に「経済産業大臣の認定」を受けた中小企業者(特別認定中小企業者)は、相続税の納税猶予制度の適用を受けることができます。この納税猶予は事業継続期間(経営承継期間)中は事業継続要件が課されていますので、経済産業大臣(地方経済産業局長)に「事業継続報告書」を提出する必要があります。


[2] 事業継続報告の手続

 特別認定中小企業者は、「経済産業大臣の認定」を受けた日から5年間、毎年1回、報告基準日(認定を受けた日の翌日から起算して1年を経過するごとの日)の翌日から起算して1か月以内に経済産業大臣(地方経済産業局長)に「事業継続報告書」と添付書類を提出することが必要です。

 また、経営承継相続人は、「経済産業大臣の認定」の有効期間(5年間)内は毎年、その後は3年ごとに「継続届出書」を税務署長に提出しなければなりません。


[3] 事業継続報告の事項とそのチェック内容

 「実質的に事業が継続しているかどうか」を判断するために必要な次の項目が報告事項となっています。「経済産業大臣の認定」の要件がベースとなっています。

報告事項 チェックの内容
(認定の取消事由に該当しないかをチェックします。)
(1) 代表者の氏名 後継者(経営承継相続人)が代表権を有し続けているか
(2) 常時使用する従業員の数 常時使用する従業員の数が、従業員数起算日(II−3(2)参照)における常時使用する従業員の数の8割以上であるか
(3)  その特別認定中小企業者の株主又は社員の氏名及びその有する株式等に係る議決権の数
後継者が株式等を譲渡していないか、後継者が、後継者とその同族関係者で総株主等議決権数の過半数を有し、かつ、同族関係者の中で筆頭株主であるか
(4)  その特別認定中小企業者が上場会社等又は風俗営業会社に該当しないこと
「経済産業大臣の認定」後に上場したり、風俗営業会社に該当したりしていないか
(5)  報告基準日において、その特別認定中小企業者が資産保有型会社又は資産運用型会社に該当しないこと
資産保有型会社又は資産運用型会社に該当しないか
(6)  報告基準日の直近の事業年度における当該特別認定中小企業者の総収入金額
総収入金額がゼロでないか
(7)  その特別認定中小企業者の特別子会社が風俗営業会社に該当しないこと
報告主体である特別認定中小企業者に加えて、その特別子会社も風俗営業会社に該当しないか


[4] 添付書類

添付書類 留意事項
(1) 定款の写し 報告日時点で有効なもの
(2) 登記事項証明書 報告をする日(報告基準日ではありません。)の前3か月以内に作成されたもの
(3) 株主名簿の写し 報告基準日における株主名簿
(4) 従業員数証明書 報告基準日時点での常時使用する従業員の数が分かるもの(厚生年金保険又は健康保険の標準報酬月額決定通知書など)
(5)  貸借対照表、損益計算書及び事業報告書
報告基準日の属する事業年度の直前の事業年度の貸借対照表、損益計算書及び事業報告書
(6)  特別認定中小企業者が上場会社等又は風俗営業会社に該当しない旨の誓約書
(7)  特別認定中小企業者の特別子会社が風俗営業会社に該当しない旨の誓約書
  (注)  「経済産業大臣の認定」の場合と異なり、特別子会社が上場会社等や大法人等に該当することは認められます。
(8)  その他参考となる書類
例えば、特別子会社がある場合に、その特別子会社が資産保有型子会社や資産運用型子会社に該当しないことを証する書類が考えられます。

 

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