目次 II−35

 第3章 法人税、法人住民税、印紙税等
 QU−35 代表理事に賞与を支払う場合に損金になるか
 一般社団法人・一般財団法人の代表理事に賞与を支払った場合、法人税法の損金になるのでしょうか?

A 事前確定の届出をしていない限り損金にはなりません。

●解説

 法人税法では、役員報酬や役員賞与など法人が役員に支給する給与は、原則として、損金不算入(法人税法上の経費にならない)となります。ただし、次のA〜Cに該当すれば損金算入できることとなっています。

 A 定期同額給与
 B 事前確定届出給与
 C 利益連動給与

 ただし、使用人兼務役員の使用人給与部分については、役員給与に該当しないこととされています(法人税法第34条第1項)。そして、使用人兼務役員とされない役員は、以下のように定められています。

 法人税法施行令第71条

  • 一 代表取締役、代表執行役、代表理事及び清算人 
  • 二 副社長、専務、常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員
  • 三 合名会社、合資会社及び合同会社の業務を執行する社員
  • 四 取締役(委員会設置会社の取締役に限る)、会計参与及び監査役並びに監事

 したがって、一般社団法人や一般財団法人の代表理事や、定款等に基づいて就任している副理事長、専務理事、常務理事は使用人兼務役員になれません。

 使用人兼務役員になれないということは、定期同額給与、事前確定届出給与等の要件を満たしていない役員給与は損金になりません。

 仮に代表理事が職員と同じような仕事内容で、同じ基準で賞与の支給を受けていたとしても、賞与は定期同額給与になりませんので、事前に税務署に賞与の金額の届出をしていない限り損金になりません。


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