目次 II-4


4 今後の展望

 以上眺めてきた、IAS第37号をめぐる会計理論の構築と会計制度の進展は、果してわが国の引当金会計をどのように突き動かしてゆくのだろうか。

 企業会計基準委員会(ASBJ)は、2007年8月のIASBとの東京合意(「会計基準のコンバージェンスの加速化に向けた取組みへの合意」)を踏まえて、将来に向けてどのような工程で会計基準の国際的収斂に取り組んでいくかを言明すべく、プロジェクト計画表を公表している。

 その2008年9月の更新版によれば、引当金は「IASB/FASBのMOU以外のIASBでの検討に関連するプロジェクト項目(中長期)」に位置付けられている。実は、2007年8月の原初版のプロジェクト計画表では引当金は対象項目に掲げられていなかった。ここに至り、引当金がいよいよわが国制度会計の議事日程に上ったことになる。まさに「引当金会計に動意あり」である。

 更新版プロジェクト計画表に則って、実際、2008年10月にはASBJは引当金専門委員会の設置を決めている。ここを審議の母体として、2009年に論点を整理した討議資料が、そして2010年には公開草案が公表されるものと予想される。IAS第37号の改訂の行方と併せて、わが国の引当金会計の展開を注視していきたい。

 

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