7 特別償却
 
 (1) 特別償却制度のあらまし

 定額法や定率法で計算する通常の減価償却を「普通償却」といいます。法人税法で定めるその償却とは別に、租税特別措置法にも減価償却に関する規定があります。産業政策の一環で税の恩典としての償却制度で、これを「特別償却」といいます。

 広義の特別償却には、次の2種類があります。

特別償却…………
(狭義)
取得価額に一定割合を乗じた金額が一時に損金算入される制度
割増償却………… 普通償却限度額に一定割合を乗じた金額が割増しで損金算入される制度
 
 特別償却には各種のものがありますが、いずれも一定の減価償却資産について早期の償却を認め、損金算入時期を繰り上げることで課税の繰延べを図る制度です。

 現行の租税特別措置法で認められている特別償却制度は次のとおりです。
 
 (1)  エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却(措法42の5)
 (2)  電子機器利用設備を取得した場合の特別償却(措法42の6)
 (3)  事業基盤強化設備を取得した場合の特別償却(措法42の7)
 (4)  事業化設備等を取得した場合の特別償却(措法42の8)
 (5)  中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却(措法42の12)
 (6)  特定設備等の特別償却(措法43)
 (7)  関西文化学術研究都市の文化学術研究地区における文化学術研究施設の特別償却(措法43の2)
 (8)  特定中核的民間施設等の特別償却(措法43の3)
 (9)  地震防災対策用資産の特別償却(措法44)
 (10)  高度技術工業集積地域における高度技術工業用設備等の特別償却(措法44の2)
 (11)  事業革新設備等の特別償却(措法44の4)
(12)  特定余暇利用施設の特別償却(措法44の5)
(13)  特定電気通信設備等の特別償却(措法44の6)
(14)  商業施設等の特別償却(措法44の7)
(15)  特定の拠点地区における産業業務施設の特別償却(措法44の8)
(16)  再商品化設備等の特別償却(措法44の9)
(17)  特定集積地区における輸入関連事業用資産の特別償却(措法44の10)
(18)  低開発地域等における工業用機械等の特別償却(措法45)
(19)  特定情報通信機器の即時償却(措法45の3)
(20)  経営基盤強化計画を実施する特定組合等の構成員の機械等の割増償却(措法46)
(21)  障害者を雇用する場合の機械等の割増償却(措法46の2)
(22)  農業経営改善計画等を実施する法人の機械等の割増償却(措法46の3)
(23)  優良賃貸住宅等の割増償却(措法47)
(24)  倉庫用建物等の割増償却(措法48)
(25)  鉱業用坑道等の特別償却(措法49)
(26)  鉱工業技術研究組合等に対する支出金の特別償却(措法52)
 
 上記の設備等については、別に法人税額の「特別控除」の制度が設けられているものもありますが、特別償却と税額控除を重ねて適用することはできません。また、圧縮記帳の適用を受けた設備等についても、特別償却は適用されません。

 

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