(5) 陳腐化資産の一時償却

 減価償却資産が技術の進歩などで著しく陳腐化したときは、国税局の承認を受けて耐用年数を短縮することが認められています(「陳腐化償却」)。この場合、当初からその承認された使用可能期間で償却していたと仮定して計算される帳簿価額まで、一時に償却することができます。
 減価償却資産の陳腐化を理由として耐用年数の短縮の承認を受けたときは、陳腐化償却の特例も同時に適用することができます。

  陳腐化償却の適用を受ける資産の償却限度額は、次の算式で計算します(令60の2)。

 【算式】
(期首帳簿価額−修正帳簿価額*)+普通償却限度額=償却限度額
* 承認を受けた短縮耐用年数により取得時から償却計算をした場合の期首現在の帳簿価額

 なお、定率法を採用しているときの修正帳簿価額は、「定率法未償却残額表」(耐用年数通達の付表7)に定める“未償却残額割合”で計算し、また普通償却限度額は、まず陳腐化償却を行いその償却後の帳簿価額を基礎として算定します。

 【算式】
期首帳簿価額−取得価額×未償却残額割合=陳腐化償却限度額
(期首帳簿価額−陳腐化償却限度額)×償却率+陳腐化償却限度額=償却限度額

 
計 算 例
設 例
 
 D社(資本金 1,000万円)の平成12年4月1日から平成13年3月31日までの事業年度における減価償却資産の明細は次のとおりです。なお、同社が選択している償却方法は定率法です。
 
  (1)  建 物
  期末帳簿価額    11,463,250円
  当期償却額    1,000,000円
  耐用年数(償却率)       30年(0.074)
  (2)  機 械
  期末帳簿価額    3,582,000円
  当期償却額    2,418,000円
  耐用年数(償却率)    10年(0.206)
  平成12年10月取得
  (3)  車 両
  期末帳簿価額   3,332,600円
  当期償却額    467,400円
  耐用年数(償却率)   5年(0.369)
  平成12年12月取得
  (4)  器具備品
  期末帳簿価額    252,150円
  当期償却額    10,000円
  耐用年数(償却率)    6年(0.319)
  前期繰越償却超過額    150,000円
 
 
計 算
 
  (1)
 
 建 物
 (償却額計算の基礎となる金額)
   11,463,250円+1,000,000円=12,463,250円
 (当期償却限度額)
   12,463,250円×0.074=922,280円
 (償却超過額)
   1,000,000円−922,280円=77,720円
  (2)  機 械
 (償却額計算の基礎となる金額)
   3,582,000円+2,418,000円=6,000,000円
 (当期償却限度額)
   b普通償却:6,000,000円×0.206×6/12=618,000円……(a)
   b特別償却:6,000,000円×0.30=1,800,000円……………(b)
(注) 中小法人(資本金1億円以下)で平成10年6月1日〜13年5月31日の間に取得した1台230万円以上の機械装置については、初年度に取得価額の30%相当額の特別償却が認められます(7(2)参照)。
(a)+(b)= 2,418,000円(償却過不足なし)
  (3) 車 両
 (償却額計算の基礎となる金額)
   3,332,600円+467,400円=3,800,000円
 (当期償却限度額)
   3,800,000円×0.369×4/12=467,400円(償却過不足なし)
  (4) 器具備品
 (償却額計算の基礎となる金額)
   252,150円+10,000円+150,000円=412,150円
 (当期償却限度額)
   412,150円×0.319=131,475円
 (償却不足額)
   131,475円−10,000円=121,475円
 (減価償却超過額の当期認容額)
   121,475円< 150,000円 → 121,475円

 

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