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Q14 工事進行基準を適用した場合の未収金 |
工事進行基準は、まだ引渡しが行われていない大規模工事等について、その工事の収益および費用を進捗に応じて完成前において先に計上するものですから、たとえこれに見合った工事未収金を計上したとしても、それ自体は「売掛金、貸付金その他これらに準ずる金銭債権」とはいえませんので、貸倒引当金の対象債権とすることはできません。 この点、長期割賦販売等に係る延払基準の特例を採用している場合に生じた割賦未収金等は、一括評価する貸倒引当金の対象債権に該当します。長期割賦販売等に係る延払基準の特例は、すでに引渡しの行われた資産の売買等に係る損益を、その資産の引渡後の事業年度に分割計上することを認めるものです。 なお、延払基準の経理方法として、履行期日未到来の販売代金を割賦未収金等としないで棚卸資産等のままにしておく方法も考えられますが、この場合には、その棚卸資産の帳簿価額に相当する金額が一括評価金銭債権に該当するものとされるため、利益部分は一括評価金銭債権には含まれないことになります。
工事進行基準とは、建設工事等の請負契約の場合に工事の進捗に応じて収益を計上する方法です。この工事進行基準には、「強制適用されるケース」と「任意適用できるケース」があります。 【強制適用されるケースの要件】
【任意適用できるケースの要件】 1)契約で着工から引渡しまでが2事業年度以上にわたる工事 2)工事進行基準で経理すること 3)選択適用した工事については、毎期継続して適用すること ただし、損失が生じる見込みがある場合には適用できない。
長期割賦販売等に該当する資産の販売や譲渡、工事の請負または役務の提供を行った場合は、延払基準の経理方法によって利益の一部を繰り延べることができます。特例処理を適用するための要件は、契約上の要件と経理上の要件があげられます。契約上の要件としては、 1)3回以上に分割して対価の支払を受けること 2)賦払金の支払期間が2年以上であること 3)頭金の額が代金の3分の2以下であること が挙げられ、経理上の要件としては、 1)延払基準で経理すること 2)選択適用した譲渡等については毎期継続して適用すること が挙げられます。 延払基準では、対価の額に対するその事業年度の賦払金合計額の割合に応じて算定した賦払金割合に応じて、その事業年度の収益および費用の額を算定することとなります。 |