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経営コーチコラム

  企業経営に役立つ「経営コーチ」の仕事!!





 「経営コーチ」としての会計人の仕事は、具体的に言って、大きく分けてふたつあります。ひとつ目は、会社の経営状況を数値から的確に読み取ることです。決算書や財務諸表に表示されているデータをチェックし、経営者が分かるように知らせていきます。当然、税金の申告なども行いますから、会計人本来の仕事と言えます。ふたつ目は、会計人本来の仕事からさらに一歩踏み込んで、それらの数値を分析・診断・提案する仕事です。決算書・財務諸表などのデータを分析・診断をし、経営上の問題があれば、その原因がどこから生じているかを究明し、経営者へ経営課題のための提案アドバイスをするのです。

 このふたつを理解していただくために、車の運転にたとえてみましょう。

 クルマの場合、前方の路面状況を見ているだけでも、運転できなくはありません。ただし、どれだけスピードが出ているか、燃料は足りているのか、クルマ各部が正常に作動しているか、そうしたことまでは分かりません。

 その状態を確認するために、フロントパネルに並んでいる計器を見るのです。スピードメーター、燃料計、水温計などを確認しながら運転するわけです。

 クルマを日常的に運転している人なら、運転しながらでもこれらの計器が示す数字を読み取ることができます。ところが日々の会社経営における数値は、だれもが正確に把握できるもではありません。それをしっかり読み取り、経営者に伝える。それが経営コーチのひとつ目のしごとと言えます。

 ふたつ目の仕事は、読み取った数値をドライバーのハンドル操作に反映させることにあります。制限速度をオーバーしていたら「アクセルを緩めてください」と知らせる。燃料が少なくなっていれば「そろそろ給油したほうがいいですよ」と声をかける。クルマの運転であれば、これらの情報はドライバーがひとりでチェックできますが、経営の数値分析と対応を的確に行うのはなかなかできないものです。それを経営コーチがサポートするのです。

 このふたつ目の仕事を行うと、さまざまな問題点が浮き上がってきます。会社というクルマを運転する経営者が、強引にアクセルを踏み続けていたり、ハンドルを変な方向にきったりしているかもしれません。それは現状分析がしっかりできていないことが多いのです。経営コーチは決算診断やマネージメントパワー等を駆使して、経営者の経営に対する考えや会社の経営課題を明確化し、改善策を練り、いい方向に導いていきます。もちろん、最終判断するのは経営者自身です。ハンドルを握っている、つまり経営の舵取りを行い、責任を負っているのは経営者なのですから。その決断のサポートを行うのが、経営コーチの役割です。

 クルマを運転する経営者のすぐ隣にいて、目指す目標の方向に間違いないように進んでいけるためのナビゲーター的存在といっていいでしょう。専門能力を有し、そして分析・診断・提案力を兼ね備えた会計人が経営コーチです。

 企業経営者にとって、霧の覆われたような経営状態を進んでいく上で、必要不可欠な存在が経営コーチなのです。


 経営の裏付けとなる数字の管理と、経営の方向性を決める計画の立案この両方を「決算診断」と「事業計画書」を巧みに使いこなし、会社経営の名参謀として経営者をサポートする「経営コーチ」が全国で活躍しています。