経営助言アプローチ

吉永茂の“経営助言アプローチ”
(20016.07.27)

【建設】「建設業の利益管理の「上流工程」の管理のポイント」

 建設業における利益管理としては、施工過程における実行予算管理が取り上げられ又極めて重要である。

1.建設業の業務フローと上流工程とは

 建設業のバリューチェーンは以下の通りである。

2.上流工程における利益管理の7つの留意点

【1】営業

(1)公共工事(土木中心)では、「経営事項審査」や施工実績評価で所定の評点を確保し、入札の機会を確実にする。

(2)民間工事(建築工事中心)では、「手持ち工事(a)」と「受注確実な工事(b)」の施工量を勘案し、業務量が減少し機会原価(斜線部分)が発生しないように営業は施工量の平準化に努める。

【2】積算・見積り

(3)下請への見積依頼にあたっては、必ず「相見積り」とし、競争原理を働かせる。

(4)施主へ提出する見積りは受注の確度を上げるため、コストダウンに配慮した「厳しい」積算を行う。

【3】受注

(5)注文成約となった場合、施主との間で工事請負契約を文書で締結する。工期や単価があいまいなまま実作業に移るのは後々のトラブルの種となるので避ける。

(6)工事には、本工事以外に追加工事が発生することも多い。本工事の利益は控え目にして受注し、競合相手のいない追加工事で利益を得るという戦術もあり得る。

【4】購買

(7)各現場がばらばらに資材を購入することは禁止し、本社がまとめてCI−NETを利用する等して資材を調達する。

(8)社内のリース部門へ支払うリース料が社外へ支払うリース料より割高であるとして現場責任者が社外リースを利用することは避ける。