経営参謀に欠かせないマインド・スキル・センスの構築
上手に「質問」しているのか? お客様と一緒に考え、一歩アをアドバイスできる会計事務所を目指すには、お客様の状況を客観的に分析する力が必要です。 そのためには、これまでも述べてきたように、双方向のコミュニケーションでお客様の気持ちや意見をよく聴くことが重要です。さらに、本音を引き出し、会話の中から双方が予想もしていなかった「第三のアイデア」が導き出されるようにするには、積極的で効果的な質問の仕方がポイントです。注意点をまとめてみましょう。 ●正確な表現を使う 「どんな感じ?」「どれくらい重要?」と聞かれても基準が明確でないと、答えようがありません。曖昧な答えで分かったような気になっていると、正確な分析につながりません。 「そのときどんな反応を示されたのですか?」「それは、この点からはどれくらい重要ですか? また、別の観点からはどうですか?」と正確な表現を心がけます。 ●分かりやすく尋ねる 当然ながら、質問事項を整理しておくことが重要です。絵や図表などを用いて視覚に訴える(ビジュアル化する)と効果的です。 ●オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンを効果的に使う 5W2Hの疑問詞を用いた質問をオープン・クエスチョンといいます。お客様の答えはさまざまに出てくるので「オープン」な質問です。反対に、答えがYESかNOのどちらかに決まってしまうような質問が「クローズド・クエスチョン」です。 オープン・クエスチョンは相手に自由な発想を促し、問題解決へ導く、相手のための質問です。反対にクローズド・クエスチョンは、事実を確認したい、責任の所在を確認したいなど質問者のための質問になりがちです。 WHYで始まる質問は、説明を求める場合に使いますが、なぜ、なぜと詰め寄りすぎると詰問調になってしまいます。HOW(どのように)で潜在的な問題を掘り起こす工夫をしましょう。 また、はい、いいえで終わらないように、クローズド・クエスチョンのあとにオープン・クエスチョンを効果的に使う癖をつけておきましょう。 ●答えを誘導しない あなた自身が考えのある答えや、希望する方向へと導こうとするような誘導尋問をしないこと。創造性がなくなってしまいます。 ●一度にたくさん質問しない ひとつひとつ質問しながら積み上げていった先に、一気に道が拓けることを知っておきましょう。 |