Dr.鈴木丈織の連載コラム ベネフィットドクター(R)スキルアップマインド
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経営参謀に欠かせないマインド・スキル・センスの構築

お客様企業における問題の早期発見と
解決へのアドバイス(1)


 安倍政権に代わり、景気動向が上向いておりますが、まだまだ不安要素の多い情勢が続いています。厳しい不況でなくても経営には、常に問題が発生します。『企業努力なくして成長なし』どんなに順調なときといえども、常にいくつかの問題を抱えているものです。

 例えば、いかに新規の顧客を創造すべきか。いかに安定した顧客関係を保つか。あるいは他社との差別化を図るにはどのような商品開発やサービスを展開すべきか。利益率を高めるには、いつ、どの程度の拡販キャンペーンを行うのか。

 一方、社内では人事面での問題や部門間でのトラブルなど、さまざまな分野で問題が出てくるものです。だから、経営者は常に悩み、迷いながら考えているのです。そのような経営者に対して、適切なアドバイスをさしあげることができるのがベネフィットドクターなのです。

 また、問題自体のとらえ方も経営者の性格で違ってきます。深刻に考えないといけないのに危機感がなかったり、状況を見ないとわからないのに、心配し過ぎたりと、その点をしっかり見極めてアドバイスするのが、ベネフィットドクターの役割です。


1.問題の早期発見

 問題は、突発的な事故ですか。それとも根深い原因があるのでしょうか。突発的に発生したように見えても、その原因は潜在的なものが飽和状態で表面化したと思われるなど、企業体質による場合もあります。病気と同じで対症療法だけではうまく治るかどうか、難しいときもあります。その意味で経営者は、企業そのものについて敏感でなければいけないし、微妙な変化も感じ取る感性が必要です。

 問題は、傷の浅い早期に発見して解決することがポイントです。それが、経営者の仕事です。問題を早期発見するには、経営者が常に現場に足を運ぶことが必要です。優れた経営者は現場の雰囲気や社員の顔色など、ちょっとした変化を感じ取り、修正案を作成することができるのです。多忙な経営者に参謀となる、頼れるアドバイザーがいれば、とても助かることは火をみるよりも明らかです。