Dr.鈴木丈織の連載コラム ベネフィットドクター(R)スキルアップマインド
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経営参謀に欠かせないマインド・スキル・センスの構築
「お客様企業のやる気と目標必達の職場づくり」への
アドバイス・スキル(3)


3.「ホウレンソウ」を活用した職場づくり

 チームで仕事を行っている職場では「ホウレンソウ」は欠かせません。チーム間のコミュニケーションを蜜にし、仕事の効率、成果をよりよくするために重要だからです。したがって、「ホウレンソウ」の重要性を説くだけでなく、伝える目的や機能、伝え方、タイミングを具体的に指導することが重要です。

 また、プラスアルファとして一言添えたり、相手に好影響を与える姿勢、態度を工夫するための意識ポイントを知っていれば、「ホウレンソウ」のついでにやる気を生み出し、目標必達の雰囲気づくりもできます。

1)報告を活用した職場づくり

 報告の機能は、情報を伝えることです。すべての情報を伝えることによって上司がその状況を把握し、判断し、次の指示・命令を与えることが目的です。ただ部下が実施したことを伝えるだけではなく、上司が実際の行動の影響力や先の見通しの判断ができるような報告であることが重要です。

 したがって、予定通りに進まないときはすぐに報告がくる職場環境が望ましいわけです。そうすれば、上司は必要なときに適切な判断をし、最善の指示・命令を与えることができ、さらに大きなミスになる前に回避することができます。上司がいくら優秀でも、現場で起こっていることは現場から報告が来ないと正しい判断はできません。

 また、間違った報告をすれば、上司の判断も間違ったものになり、正しい指示が得られません。当然、適切行動にはつながらず、悪い結果を招くことになります。マイナスの情報ほど上に届きにくいもの。悪循環に陥ります。

 そこで、マイナス情報もすぐに届く環境づくりが大切です。次のポイントを意識して声かけをすると部下のやる気を養うことができます。そして、マイナス情報でも躊躇せずにまず報告し、対応の指示を得ようとする姿勢に変わっていきます。

○静かな声で、事実の指摘を一つして叱ると、やる気が養われる。
ミスはミスとしてすぐ認め、これからも頼む姿勢を見せられると、信頼関係が生まれる。
○自分の考えを仕事に取り入れられたとき、やる気がわく。
○お互いに仕事のパートナーという態度で接すると信頼が増す。

2)連絡を活用した職場づくり

 連絡の機能は、情報を共有することです。連絡が行き渡れば、共有情報をもとに全体を見回し、それぞれの配置を確認することによって、より効果的に動くことができます。お互いの動きを把握でき、全体に気を配ることができるようになるからです。したがって、連絡を密にすることは、協力意識を育てよりよい人間関係づくりを促進し、よりよいチームワークの発揮につながります。

 このような職場環境を育てるには、次のポイントを意識してコミュニケーションを回数多くすると部下はやる気を確信します。

○「また一緒に仕事ができる」と、繰り返す。
○仕事の夢、自分の誇りをさらっと語れる状況をつくってやる。
○小さな成功を認め、回数多くほめる。

3)相談を活用した職場づくり

 相談の機能は、問題解決です。よりよい行動や成果を求めるためのものです。部下の相談がいつでも受け入れられる態勢が整っており、親身になってアドバイスできることが重要です。

 次のポイントを意識すれば、部下が気軽に相談できる環境づくりができます。

援助の申し出の連続は、心を閉ざし孤立させるので、決して押しつけないこと。
私的話題に一切触れない場合の仕事一色は、仕事にその気をつくる。
小さな可能性を繰り返し実行すると、大きな可能性へ挑戦できることを教える。
得意なことは尋ねられてから答えると、意外な面は信頼につながる。
ライバルの存在を匂わされると、やる気が養われる。
いつでも支えあう存在であることを感じさせると信頼が増す。