Dr.鈴木丈織の連載コラム ベネフィットドクター(R)スキルアップマインド
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経営参謀に欠かせないマインド・スキル・センスの構築
お客様に効果的に伝えるスピーチ・センス(4)


5.話を効果的に聞かせる本質的能力

 うまい話の三条件「話の目的を達成させる話し方」「あなたの印象・イメージ・好感度がよりよくなる話し方」「任せて安心、またお願いしたいと思わせる話し方」を満たす本質的能力は、「SPEECHの法則」にのっとっていること。自分の話したいことだけを滔々と述べ、自己満足にひたるのは愚の骨頂です。

1)SINCERITY(誠実)

 口先だけの言葉ではなく、あなたの心、誠意を伝えるためには、言葉と心を一致、統合させようとする誠実さが大切です。例え話を豊富にし、表現力をいきいきさせる教養の高さも高慢で慇懃になっては逆効果です。誠実な心の姿勢、態度が好感をもたれるマナーとなって品格づくりにつながり、話の効果をより高めてくれます。

2)PASSION(情熱)

 本で読んだ話、他人の受け売りより実体験の話の方がより感動させることができるのは、話し手自身の感動が気迫となり、言葉の迫力となって相手に伝わっていくからです。よい意味での必死さが相手の心を動かすのです。だから、本で読んだ話、他人の受け売りであってもよりよく分かってもらおうという気持ちになって、自分自身のすべてを目標必達のために一点集中することです。それがあなたの作り出す「情熱」という雰囲気です。

3)ESTEEM(尊重)

 あくまでも聞き手尊重です。話の決定権は聞き手が持っています。効果は聞き手が決めるのです。自分中心では、いつまでたっても上達はできません。心を常に相手に向けることです。そうすれば、あなたがいちばん懸念している「あがり」も克服できます。

 どうしても緊張して、震えて頭が真っ白という人がいます。「うまく話したい」「失敗したらどうしよう」「練習どおりにいくかな」「こんなに注目されている」など常に自分に意識が向いているから緊張するのです。緊張はするものだと受け入れ、「どうすればわかってもらえるか」「今日はどんな感じがうけるかな」と相手のことだけを考えることです。あがっている暇などありません。

4)EASY(気楽に)

焦りは禁物です。常に余裕を持って臨みましょう。ぶっつけ本番ではなく、周到な準備が大切なことは話すことにおいても同じです。過度に緊張すると普段の実力の半分も発揮できなくなってしまいます。適度な緊張を楽しみながら気楽な気持ちで話ができるように、簡単なリラックス法を身につけておくとよいでしょう。

5)CHALLENGE(挑む心)

 話術ではなくスピーチ力を身につけるには勇気が必要です。いつまでも苦手意識を持っていないで、自分を乗り越え、殻を打ち破る心を持ちましょう。挑む心とは飛躍への要の心です。力強さの基本です。

6)HOPE(希望)

 成功の秘訣は「きっと分かってもらえる」と強く信じること。「分かってもらえるようになりたい、なろう、きっとなれる」と希望を持って目標を変えずに努力を続けることです。希望の心はあなたの表情に芯の強さと明るさをもたらします。