Dr.鈴木丈織の連載コラム ベネフィットドクター(R)スキルアップマインド
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経営参謀に欠かせないマインド・スキル・センスの構築
お客様に効果的に伝えるスピーチ・センス(3)


4.話し方センスの基本5ポイント

 話し方のテクニックは確かにあります。しかし、何を意識したテクニックかが重要です。ただ笑いをとり、うける話をして「おもしろかった」でよいのでしょうか。お客様は、さまざまに影響力を持つ経営者です。その方々にさらに影響力を発揮するには、影響力のある一人の人間として「表現したい」という気持ちを大事にし、「話の目的を達成させる」話し方センスに重点を置いてみましょう。

 「話の目的を達成させる」とは、さまざまな状況において、1)情報を伝えるときには正確に相手に伝わるように、説得するときには相手がこちらの求める行動を起こしてくれるように話すこと、2)あなたの印象・イメージ・好感度がよりよくなるように話すこと、3)「任せて安心、またお願いしたい」と思わせるように話すことです。これがうまい話の三条件です。

 見た目も当然重要です。賢そうな人という印象を与えるのとウサン臭そうな印象を与えるのとでは、話の効果はまったく違ってきます。身だしなみを整えるのはもちろんのこと、話すときの音調、語調に加え、表情、態度もおろそかにしないことが大前提です。人は、お互いに相手を総合的に観察しながら話を聞き、しゃべっているものです。そのことをまず念頭において、どのような状況においても共通する、話し方センスの基本5ポイントを押さえておきましょう。

1) やさしく繊細な表現で、断定的に言い切る表現を基本にします。相手に常に「確信」を与えるようにします。

2) 抑揚や高低をつけます。平板に表現するのではなく、高低をつけることで臨場感が出ます。

3) ときには強調して話します。強調には同じフレーズ・言葉を繰り返す方法と語気を強めるという方法があります。強調は、重要ポイントであることを明確に知らせる、あるいはそうと認めた心を表すものです。

4) 間隔をややあけて内容を自分で確認します。そして、相手の反応にも気を配ります。

5) 話題を変えるときや自分の頭を切り換えるときも、自分なりに話の内容を整理し「見出し」をつけます。例えば「今回の税法改正ついて」とか「効果的な販促について」とかいった具合に、簡単にまとめるようにすると頭をクリアにして話が続けられます。