Dr.鈴木丈織の連載コラム ベネフィットドクター(R)スキルアップマインド
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経営参謀に欠かせないマインド・スキル・センスの構築
好かれ、頼られるリスニング・スキル(5)


3.説得するときはお客様の気持を聴いて守る

 「しゃべるな、しゃべらせよ」というのが説得を成功させるポイントの一つです。内容を説明しお客様の質問に答えた後、説得点を見つけねばなりません。どうすればお客様がこちらの思うように行動してくれるのか、お客様とこちらの妥協点と譲れない点を知る必要があります。それを見つけるためにさらにこちらから質問し、お客様の立場、状況、気持などを理解して説得点を探っていくのです。また、説得が勝ち負けにならないようにすることが大切です。相手にいやいや承諾させられた、という敗北感や不満を味あわせては、説得が成功したとは言えません。お客様が喜んで説得に応じてくれる点を探すためには、お客様の話をよく聴くことが必要なのです。聴くことによって相手の自尊心を守ることです。


4.お客様の言いたいことや気持を、自分の言葉で投げ返す

 うれしいこと、悲しいこと、辛いことをだれかに聴いてもらいたいと思うことがあります。相手が自分の話をよく受け止めてくれ、十分話すことができたとお客様が納得したとき、お客様は心を解放することができます。そして、気持を共有し、お互いの人間関係を深めていくことができるのです。「そうか、そうか」「分かる、分かる」だけでなく、『もう一言言って欲しかったんだな』とお客様の言いたいことを、「…だったのですね」と自分の言葉で短く要約してあげたり、「心残りなんですね。きっともう一回挑戦できますよ」と気持を代弁し、お客様に希望を与える方向を示してあげると満足感が信頼感に変わります。