Dr.鈴木丈織の連載コラム ベネフィットドクター(R)スキルアップマインド


経営参謀に欠かせないマインド・スキル・センスの構築
好かれ、頼られるリスニング・スキル(4)


2.頼られるリスニング・スキル

 報告や説明、説得など話の目的をはっきり意識し、目的に応じた正確な聴きとり方をすることが重要です。どんな話でも的確に内容をとらえることができ、正確に確実に対処してもらえる、信頼性が高まります。

1)メモをとりながら聴く

 一言も聞き漏らしてはいけない、と思うと緊張します。私たちの記憶力は当てになりません。メモをとりながら余裕を持って聴くほうが安心できます。お客様にも真剣に聴こうとしている態度を伝えることができます。報告や説明を聞くとき、会議の場では特に必要です。記録として残すことは正確な証拠として信頼性が高まります。

 しかし、書くほうに意識がいって聴くほうがおろそかになったり、メモに頼って油断する恐れがあります。話している「人」を置き去りにしては本末転倒です。ポイントでしっかり目を合わせ表情を伝えることを忘れてはいけません。要点を短文にしたり、キーワードと記号で単純化するなど書き方を工夫することです。そのとき心に残った言葉を書いておくと話が強く印象づけられ、後から見ても思い出しやすくなります。

2)事実と推測、感情、期待を明確に聴き分け、確認する

 報告や説明の場合、結論は何か、そして何が事実でどこからがそれに基づく推論か、などをしっかりと聴き分ける必要があります。日本語は文末までよく聴いていないとYESかNOか分からないときがあります。話し手が注意することも当然ですが、自分の都合のよいように思い込みで聴かないように、確認することが重要です。

 また、悩みの相談をもちかけられたときなどは、事実とそのときのお客様の気持、今後どうしたいのか何を期待しているのかなどを明確にしなければ、お客様の立場になって考えることはできません。お客様の話を本気で受け止め、どのレベルでお客様の力になれるのか真剣に検討するために必要だからです。