第5回 税理士と円満に別れる3つのセリフ
念には念を入れて選んだつもりの税理士でも、長年付き合ううちに相性が合わなくなってくることもあります。また、企業の成長にともなって一段上のレベルの税理士が必要となることもあります。
すると、これまで付き合ってきた税理士と契約を解除することになりますが、別れ方にも気をつけたいポイントがあります。
まず大切なのは、次の税理士を見つけてからにすることです。もし見つからなければ、決算時に大変なことになりますから、きちんと新しい税理士を見つけた上で、前の税理士を断るようにしましょう。
また、ケンカ別れをしないことも大切です。
税理士とケンカ別れをしてしまうと、重要な資料が散逸してしまい、次の税理士への引き継ぎがうまくいかないということがあるからです。なるべく穏便に別れた方が、あとあと都合がよいと思います。話がこじれて本業に支障をきたすようではいけません。
別れるテクニックと感謝の気持ち
別れる理由は、何も本当のことをいう必要はありません。次に挙げる3つのセリフが効果的です。
「親戚が税理士として独立した」
「知り合いの税理士が共同出資してくれることになったので、顧問もお願いすることにした」
「大口取引先から同じ顧問税理士にしてほしいと言われた」
こうした言葉を使うことで、税理士のプライドを傷つけることなくスムーズに別れられると思います。
また、このような「別れるテクニック」も重要ですが、もっとも大切なのは、これまでのサポートを感謝する気持ちを持って別れることです。これは人間同士の礼儀やマナーの問題です。
なんだかんだ言ってもお世話になったわけですから、そのような人に「砂をかけるような真似」だけは、やめていただきたいと思います。
しかし、何らかの理由で、お伝えしたような方法でも、うまくいかないケースもあります。
そのようなときは、地元の税理士会に相談してみるのがいいでしょう。さすがに税理士会に対して、事を荒らげ、自分の仕事をやりにくくする税理士事務所は少ないと思います。
新しい税理士を見つけた上で、できる限り穏便に、感謝の気持ちを忘れずに別れる。これが鉄則になります。