いい税理士の7つのポイント


第6回 業界を理解しているか?

 どんな仕事にも、業界別の事情というものがあります。例えば、支払いに手形決済が多かったり、現金なら半年後入金という業界があります。

 そうした事情をよく知らず、貸借対照表だけをみて、「社長の会社は売掛金が多いですね」と言われても、「現場も知らないくせに…」というふうに経営者は不快な思いをいだきます。

 つまり、良い悪いは別として、各業界特有の慣習というものが存在するため、そのあたりの事情を考慮に入れないと、税理士として顧問先に正しいアドバイスはできないということです。

   そのような特殊な業界事情は、不文律と言われるようなものも含め、やはりその業界の顧問先を多く抱える税理士事務所の方がよく知っており、結果、的を射たアドバイスをすることができるのです。

 ですから、社長さんが「自分の仕事はどちらかというと特殊な業界になるな」と思われる場合は、専門の税理士を探して依頼するのも得策です。

業界に精通しているか確認してみよう


 また、税務調査のときも、業界別に狙われやすいポイントというものがあります。

 例えば、建設業では「完成工事と未完成工事が適切に区分されているか」「棚卸資産に計上されている金額が妥当か」「期ズレ」などに気をつけなければなりません。

 飲食業では、人件費の割り増しに税務署は特に注意しているため、税務調査では、アルバイトを含む従業員が実在するかどうかまで徹底的に調べられます。

 紹介サイトに問合せに来られるお客様も最近は、「製造業に詳しい税理士を紹介してください」「IT業界に詳しい税理士はいますか」という方が増えています。

 さまざまな事情をよく知ったうえで、経営者に適切なアドバイスをし、業種別の税務調査対策にも詳しく、業界を理解してくれる税理士というのは、社長からするとこれほど心強い存在はないでしょう。