税理士業界ニュース
(2016年8月)

相続マーケットがさらに拡大し、ビジネスチャンスが到来!

銀座・鳩居堂前の路線価は平成4年に次ぐ水準まで上昇

 周知の通り、路線価は相続税や贈与税の税額を算定する際に大きな基準となる。課税額に直接影響する点で、路線価は税理士や不動産鑑定士などの専門家はもちろん、一般市民にとっても身近なデータである。

 8年ぶりの路線価上昇の背景には、上昇地点が増えたことにある。上昇したのは昨年上昇した宮城、福島、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、沖縄に加えて、北海道、広島、福岡、熊本と、14都道府県の地価が上昇した。

 路線価が全国で最も高かったのは、東京都中央区銀座の「鳩居堂前」。31年連続1位(3,200万円/u)で、坪単価は約1 億578万円に上る。対前年変動率が最も高かったのは、大阪市北区角田町の「御堂筋」で22.1%だった。

 銀座・鳩居堂前の路線価は、バブル期の平成4年にピークを迎えた3,650万円/uに次ぐ水準を記録した。まさに都市部の不動産に限れば、取引が増え、価格が上昇していることが読み取れる。

 ある不動産鑑定士は次のように語る。「路線価上昇は、東京五輪まで続く可能性がありますが、その後は下落するかもしれません。日本の人口は減少しており、将来的には需要者が減少すると考えられます。需要は二極化しており、ヒト・モノ・カネが集まる大都市のみ地価が上昇し、その他の地域は上昇が見込めないでしょう。しかし、マイナス金利が続き、2%のインフレが予測できるようなら、インフレヘッジ特性のある不動産が見直され、全国的に価格が上昇する可能性があるかもしれません」

 不動産価格が上昇すると、相続税評価額に大きな影響を及ぼす。不動産価格が上昇している地域では、相続税の課税対象者がさらに増えることが予想される。特に都市部で財産が自宅しかない場合は、平成27年に相続税が改正した時点で課税対象ではなくても、路線価の上昇により、新たに課税対象となる可能性が高まるだろう。

 また、元来からの課税対象者も、当然ながら相続税額がアップする。

 銀座・鳩居堂前の1u当たりの路線価は、平成27年が2,696万円だったのが、平成28年には3,200万円まで上昇した。変動率は約18.7%。都市部では路線価上昇に伴い、相続税の納税額が増加すると思われる。

 相続マーケットは一層拡大し、相続への関心が今まで以上に高まることは間違いない。

「うちは相続税を払わなければいけないのだろうか?」

「路線価が上がると、支払う相続税も増えてしまう。何か節税対策を取れないものか?」

 会計事務所が上記のような相談を受ける機会が、今まで以上に増えることが予想されるだろう。

追い風が吹く相続ビジネスでは入口商品が威力を発揮

 平成27年1月1日に相続税が改正され、基礎控除額が下がり、これまで相続税を支払う必要がなかった層も、相続税を納めるようになった。さらに路線価の上昇で会計事務所が相続ビジネスを行うにあたって、追い風が吹いたとも解釈できる。しかし、今もなおチャンスへとうまくつなげられないという会計事務所の声も少なくない。

 会計事務所が相続ビジネスに対して、どのような悩みを抱えているのか、次に挙げる。

  1. 顧問先からの相談が来ない
  2. 相談が来ても、生前対策や申告の受注につながらない
  3. プレゼンに適した資料が作成でない
  4. 相続セミナーを開催しても、受注につなげられない
  5. 金融機関や他士業へアプローチするツールのデザイン性が低い

 セミナー開催、DM、Webなどのマーケティング活動を展開しても、なかなか生前対策や相続税申告の案件につながらないのはなぜか。それは、「入口商品」がないからである。入口商品がないと、生前対策や相続税申告までの道筋が見当たらず、会計事務所はビジネスへとつなげられない。また、相談者もどうすればいいのか途方に暮れてしまうのだ。

 そこで、入口商品として相続シミュレーションが威力を発揮する。相続予備軍にとって「相続税申告が必要なのか不要なのか」「相続税額はいくらになるのか」ということは、先の見えない不安である。どれくらい財産があり、相続税を申告する必要があるのか否か、申告するなら、どれくらいの相続税を支払うのかをシミュレーションし、その結果を明確に示すことで、顧客の不安を鎮めることができ、満足感を与えられるのだ。

従来のシミュレーションソフトぶつかる課題

 いわゆる相続シミュレーションのソフトは、これまで各社で市販化されてきた。税理士が独自に開発したソフトもあるだろう。

 これら相続シミュレーションのソフトには、会計事務所と顧客の双方が感じる課題がある。まず、会計事務所の視点では、主に次のような課題が挙げられる。

1.入力作業に時間がかかる
 すべての財産情報を入力しないと帳票をアウトプットできないケースが多く、なかには入力だけで60〜90分かかることも珍しくない。「概算でいいからシミュレーションしてほしい」という顧客のニーズに応えられない場合がある。

2.データ保存に限りがある
 保存できるデータ容量に限りがあるため、同一顧客の過去のデータを引き出すといった基本的な処理ができないこともある。

3.全角入力するとエラーになる
 情報入力には、全角と半角の双方を使う。全角入力したまま数字を打つと、エラーが発生し、入力時にストレスがたまる。

4.出力した帳票は修正できない
 帳票を修正できないと、事務所の特色を打ち出せない。

5.案件を獲得するツールとしては使えない
 多くのシミュレーションソフトが相続税申告にフォーカスしたもので、案件獲得のためのシミュレーションとは若干趣旨が異なる。また、洗練されていないデザインの帳票が目立ち、顧客に提示しても満足感を与えにくい。

 一方、顧客の立場になって考えてみよう。多くの相続シミュレーションソフトは、表計算をベースにしたもので、見栄えが芳しくない。相談時に会計事務所から説明を受けたときには理解したつもりでいても、あらためて持ち帰ってきた帳票を見たら、全然わからないというケースは珍しくない。

顧客満足と会計事務所の使いやすさを満たす

 顧客満足を与え、会計事務所の業務効率化をもたらす相続シミュレーションのソフトが、昨年秋にリリースされ、多くの会計事務所の支持を得ている「相続シミュレーションplus」である。

 「顧客のわかりやすさ」と「会計事務所の使いやすさ」、双方の満足を満たし、多くの会計事務所から好評を得ている。マーケットがさらに拡大した相続ビジネスで収益を上げるための強力兵器として関心を集めている。


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