税理士業界ニュース
(2014年12月)

近未来の会計事務所経営が「見えた!」
−第3回会計事務所のビジョナリーサミット」開催レポート


日本初のクラウド会計イベント全国各地から約300名が集結

 クラウド会計は今後、顧問先・会計事務所に普及していくか。読者の先生方はどのようにお考えだろう。

 97.8%。この数字は11月11日(火)に開催された「第3回会計事務所のビジョナリーサミット(以下、ビジョナリーサミット)」に参加した、全国各地の会計事務所の先生方、約300名の皆さんに行ったアンケート調査の結果だ。「クラウド会計は今後普及していく」と答えた先生方が圧倒的な数にのぼった。

 ビジョナリーサミットに参加した約300事務所にとっての関心は、もはやクラウド会計は普及する/しないといった次元の話ではなく、「いつ/どうやって事務所に取り入れていくか」に移っていた。

 今回の「ビジョナリーサミット」は、会計事務所業界の最新ツール、クラウド会計をテーマに行われた。

 クラウド会計を主題に、これだけの規模で開催されたイベントは全国初。それだけクラウド会計に対しての興味・関心が高まっているといえるだろう。

 参加した先生方の声を聞いてみよう。

 「クラウド会計に対してのさまざまな最新情報を得ることができましたので、これからの事務所経営に大変役に立ちます」(梅川公認会計士・税理士事務所 所長 梅川貢一郎氏)

 「今後、間違いなくクラウドじゃなければならない時代になっていきますよね。今日の講演を聞いてもそう感じます。会計事務所が変わっていくためにもクラウド会計の提供など、サービスの内容を見なおさなければならないと思いました」(佐藤税理士法人 所長 佐藤誠司氏)

 今回のビジョナリーサミットが、会計事務所の先生方に与えたインパクトの大きさが見て取れる。

 ビジョナリーサミット開催にあたって、会場は参加者たちが自由な意見交換ができるように、円卓形式で設置された。

 クラウド会計にテーマを絞った全国規模のイベントは日本初。参加者募集を行った途端に応募が殺到し、開催当日は急遽円卓の数を増やすほどの大盛況となった。

 全国の会計事務所においてクラウド会計に対しての関心が日に日に高まっている。


充実の講演から見えた会計事務所経営の近未来

 ビジョナリーサミットでは充実した講演が行われた。

 そのなかでも最大の目玉となったのが、クラウド導入率70%のIT中心都市である米国シアトルで会計事務所を経営する、トランザクション・パートナーズの代表、トーマス・S・ボーン氏とクリスティーン・D・ボーン氏による来日特別講演だ。

 彼らの事務所では、クラウド会計を事務所経営に積極的に取り入れ、スタッフ、オフィス、サービスをすべてクラウド化。コスト削減はもちろん、従来の会計サービスのフローでは提供できなかった価値をサービスに取り入れ、価格競争に巻き込まれることなく急成長を遂げている。

 参加した先生方から高い評価を集めた両氏の講演。その秘密は単なる成功事例の発表にとどまらず、考え方から実際にどのようにクラウド会計を事務所内で運用しているのか、そのノウハウまで惜しみなく公開した点にある。その詳細な内容に関しては、ぜひ講演録をご覧いただきたい。

 基調講演には弊社代表取締役・広瀬元義と株式会社クリエイティブホープ代表取締役会長・大前創希氏が登壇した。

 広瀬による基調講演のテーマは「会計事務所の近未来」。クラウド会計という、会計事務所にとっての最新テクノロジーが登場した現在、会計事務所は何を学び何を取り入れなければならないのか、3年後の会計事務所のあるべき姿を具現化した。

 新しいテクノロジーが社会や産業をどのように変革していくのか。日本屈指のWebコンサルタントである大前氏が見通す会計事務所業界の未来の姿に、来場者は聞き入っていた。