(2012年6月)
事務所経営の最大課題は「契約力」 現在では、大半の会計事務所がホームページを持っている。1件でも多くの問い合わせを得るためにSEO対策を行ったり、リスティング広告を出している事務所は少なくない。 しかし、これらの目的はホームページを検索上位に表示させることでも、多数の問い合わせをもらうことでもない。目的はあくまでも顧問契約にほかならないのである。 どんなマーケティング活動も契約できないと意味がない! 「契約力」とは何か。それは「先生にお願いしたい」という決断をさせる能力を指す。「果たして、自分には契約力があるのか?」と疑問に思った方は、次に挙げるチェック項目に答えてみよう。 ■契約力チェックリスト ●商談の9割以上は1回の面談で結果が出る ●迷っている顧客に決断させることができる ●顧客の言いなりにならず、商談をリードできる ●値引きの要求に屈せずに、契約に持ち込むことができる ●契約後にクレームを付けられることはない ●商談プロセスでトラブルが発生することはない ●自分の事務所のサービスに自信がある ●顧客には、必ず満足と安心を与えることができる ●服装や身だしなみには人一倍気を使っている ●どんな質問や反論にも冷静に対処できる自信がある これらの項目で「はい」と答えられる箇所が多ければ多いほど、契約力があるということになる。「はい」と答えられる箇所が少ない方は、これから契約力を学習する必要がある。上記チェック項目一つひとつを克服するために、何かアクションを取ることが求められる。 なぜ、契約力アップのための行動をとらないのか? 一方、現実には契約力アップのために何か行動を取っている会計事務所は少ない。その理由は以下が考えられる。 1.1年にそう何度も商談の機会がない 2.今までは紹介中心のため、それほど必要がなかった 3.今でもそれほど重要だと感じていない 4.自分自身が苦手と感じている(苦手なことは後手に回す) 5.顧客は営業して勝ち取るものだという認識がない 上記のうち、一つでも思い当たる項目がある方は、これから契約力を向上させるための具体的な行動を起こす必要がある。 では、契約力をアップさせるために、具体的に何をすればいいのか。最短の方法として、モデリングが挙げられる。 モデリングとは、契約が上手な税理士の手法を取り入れるということを指す。いわゆる「マネをする」ことである。実はこれこそが契約力を高める最短距離にあたる。上手に契約を結ぶ税理士が実践しているノウハウの中で、特にどんな手法が結果に結びついているのかを研究することが重要である。 契約力アップのための行動に着手しないと、事務所経営は必ずジリ貧になる。これからは所長税理士はもちろん、事務所職員全員が契約力アップを意識しなければいけない時代に突入した。 新規拡大に成功している数々の会計事務所の事例を研究し、自分の事務所に合う方法を見つけ、実践してみることをおすすめする。一歩踏み出すことで契約力が向上し、事務所の収益アップが実現するのだ。 |