税理士業界ニュース
(2012年2月)

2012年の会計業界は
「ネットワーク」と「ブランディング」


 2012年、加速度を増していく業界再編。もはや会計事務所は何の手も打たないで静観していることができない状況になっている。

 そこで、事務所経営を考えるにあたって意識しなければならないキーワードがある。それは「ネットワーク」と「ブランディング」。もはや一会計事務所では再編の波に太刀打ちできない時代に突入していることを認識しなければならない。


全国の中小企業は20年間で約2割も減少している

 これまで2011年の会計業界について「価格破壊者の登場」「紹介会社の台頭」等のキーワードを挙げてきた。これらの背景はネット社会の進行による競合激化がある。

 なぜ競合が激化しているのか。その理由は至って簡単である。中小企業の数そのものが減っているのだ。

 総務省「事業所・企業統計調査」によると、中小企業の数(非一次産業全体)は1986年から2006年までの220年間で約2割も減少している。一方、この20年間で税理士登録者数は1.5倍まで増加。デフレが進行し、価格破壊者が業界内外で登場。こんな状況下では、これまで通りの事務所経営を実践していて、うまくいくはずがないのは明らかである。


「オールドエコノミーの寡占化」の次に何が来るのか?

 本紙でも、2011年までの会計事務所の動向を「競争の激化」「値下げ圧力」と続き「価格破壊者の登場」と報じてきた。この流れを実際に肌身に感じ取っている税理士は少なくないだろう。

 その次に来るものは「オールドエコノミーの寡占化」とも報じた。これは多くの業界で繰り返されてきた新旧交代の歴史である。全国の都市で見られる商店街のシャッター通り化は、多くの業種で小売店がオールドエコノミーとして市場からレッドカードをたたきつけられた証でもある。

 商店街にあった魚屋や八百屋、肉屋、洋品店、喫茶店、薬局等の各商店がそうだったように、時代の流れに取り残された会計事務所も、同様にオールドエコノミーとして寡占化の波にのまれてしまうのである。

 「オールドエコノミーの寡占化」の次には何が来るのか。それは「ネットワーク」と「ブランディング」の時代。これはすべての業界で繰り返されてきた業態進化のプロセスと重なる。例えば「同じような低価格」「同じような安売りチラシ」「同じようなホームページ」「同じような応対」のサービスや商品を選ぶ際、どこで判断すればいいのか。

 それはネットワークによるブランドである。2012年は会計事務所も同様になるだろう。


続きは「税理士業界ニュース」本紙をご覧ください。

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