会計事務所経営に役立つ情報
(2016年10月)

事務所の理念に共感し戦力となる人材に出会える採用方法

 税理士法人鶴田会計では、新卒採用を始めた4年前は、職員数がまだ15名だった。しかし、優秀で事務所の理念にマッチした新卒者を迎えることで、事務所は拡大。現在は35名の事務所に成長している。代表の鶴田幸久税理士は、新卒採用を始めたきっかけを次のように話す。

 「中途で入ってくれた人たちが、結婚などのライフイベントで退職してしまうのがもったいないと感じていました。新卒であれば、優秀な人たちが長く働いてもらえるのではないかと思ったのです」

 では、どうすれば未経験の新卒者でいい人材が採れるのだろうか。鶴田会計独自の採用活動に秘密があった。

五次選考まで行い徹底したマッチング

 鶴田会計では求める人物像に合致した人材を採用するため、採用フェーズが5段階まであり、それぞれに趣向を凝らした内容となっている。

一次選考(事業承継コンサルティングワーク)
 会社説明会に参加した学生が参加する一次選考では、グループワークとして事業承継の計画を立てる。

二次選考(クレドプロジェクト1dayインターンシップ)
 鶴田会計が大切にしている「クレド」を題材とし、鶴田会計のことを深く理解してもらい、鶴田会計のことを良く知った上で、自分の価値観と鶴田会計の価値観のマッチングを図る。

三次選考(コンサル体感型ロールプレイング)
 決算書分析&節税提案、新規事業提案というふたつの課題を与え、約1週間で課題を作成し、役員の前でプレゼンテーションする。

四次選考(役員面談)
 約1時間の面談を通して、価値観のすり合わせと入社意思を確認。

五次選考(シークレットミッション)
 内定者同士および社員との仲間意識を醸成し、入社への覚悟を決める。

 こうした5つのステップの中に、応募者を引き付け、事務所に合った人材を選び取る仕組みを散りばめられている鶴田会計の新卒採用。これらのノウハウは、新卒採用だけではなく、中途採用にも通じる点が多い。事務所の成長に不可欠な人材採用に、大きく役立つだろう。


「鶴田式」会計事務所の新卒採用メソッド(仮)