会計事務所経営に役立つ情報
(2016年9月)

ニーズが高い「人材」をテーマに 豪華講師陣が登壇

 売上5億円以上、職員50名以上を目指す「ビッグファームを目指す会」。第3回定例会のテーマは「人材」。4人の講師が以下のテーマで登壇した。

  • 「一人年間売上2,000万円を実現する高収益事務所のノウハウ大公開」鈴木成美氏(税理士法人コスモス代表社員 税理士)
  • 「事務所人数90名、資産税に強いあの深代会計が取り組む制度改革大公開」花島宣勝氏(税理士法人深代会計事務所 副所長 公認会計士・税理士)
  • 「人材育成のプロが語る!成果につながる評価制度、失敗する評価制度」野崎大輔氏(日本労働教育総合研究所 所長 特定社会保険労務士)
  • 「会計事務所甲子園実行委員長が語る〜成長事務所が導入する評価給与制度の共通点」飯島彰仁氏(株式会社古田土経営 常務取締役)

 ニーズが高い人材に関して、これだけの有名講師の講演を一度に聴けるとあって、会場は開始前から参加者の熱気に満ちていた。

 今回は、鈴木氏の講演の一部である「具体的な成果給制度の内容」について紹介する。

仕事量に応じて給料に反映される成果給制度

「すべての者に公平で、頑張った者は評価される仕組み」を実践する税理士法人コスモス。2003年に税理士法人化した際、代表社員に抜擢された鈴木氏が自ら、成果給制度を作り上げた。

 税理士法人コスモスの成果配分は、次の通りである。

<税務顧問料>
  • 事務所→20〜40%
  • 開拓者(年金)→20%
  • 担当者とチェック者→40〜60%

 仕事の質に応じて、取り分に2割の幅をつけている。職員は担当数を増やせば増やすほど報酬を上げられる仕組みになっている。

 ここで特筆すべき点は開拓者に支払われる「年金」。顧問先に契約解除されない限り継続して支給される。年金だけで年間百万円単位支給されている職員も少なくない。

<コンサルティング料>
  • 事務所→50%
  • 案件に携わった職員→50%

 コンサルティングの中身は事業承継、株価対策、組織再編等が中心。料金は職員の裁量で決めている。職員には一時金(ボーナス)の形で支給。報酬の半分をもらえることが、大きな動機付けになっている。

 多くの仕事を担当すれば、その分が自身の給料に反映されるので、新規拡大にも力が入る。

 「とにかく『お客様のところへ行け』と、4時間以上の内勤を禁止しています。1日2社としても月40〜50社訪問できます。しかし、グループ会社もあるので、実際に会っている社長の数は20〜30人になります。すると10日は余ります。余った時間を新規開拓に当てるよう徹底しています」(鈴木氏)

 これからも「ビッグファームを目指す会」では、事務所成長に欠かせない経営課題に関する講演を企画していく。