会計事務所経営に役立つ情報
(2016年7月)

創業支援の事業を拡大するビジネスモデルとは?

 5月19日、弊社ビジネスラウンジにて開催した「第14回税理士会議」。

 今回は「創業支援」をテーマに、加瀬洋氏(アカウンティングフォース税理士法人 代表税理士 公認会計士)と上田洋平氏(上田洋平税理士事務所 代表 公認会計士 税理士)に登壇していただきました。

 創業支援を強みに、事務所拡大をする手法とはどのようなものなのでしょうか。

上田洋平氏(上田洋平税理士事務所 代表 公認会計士 税理士)

Web集客のポイントは事務所のエリアで決まる

 現在は紹介でも創業支援の案件を獲得しているのですが、開業当初は人脈がなかったのでWeb集客に力を入れていました。

 集客を行う上で、最初に考えたのは事務所の場所です。結論から言うと、八王子に事務所を構えました。

 「もっと都会の方がいいのでは」と感じる方もいらっしゃると思いますが、八王子は意外と創業者が多い街なのです。経済センサスで調べてみると、立川よりも八王子の方が創業者数が多かったのです。これを踏まえ、ネットで「八王子 税理士」と調べてみると、創業支援を売りにしている税理士がいないことがわかりました。また、ネットで「税理士」を検索している数が横浜と同じぐらいあったことも八王子に決めた理由の1つです。この数値は、グーグルキーワードプランナーを使うと調べることが可能です。

 続いて、ホームページ制作の業者を選びました。重要なポイントは、「自分でホームページを変更することが可能である」点です。SEO対策をするためには、日々、ホームページの内容を改善しなくてはいけません。なので、自分で変更しやすいワードプレスのシステムで制作してくれる業者をお勧めします。

 以上のポイントを押さえれば、Webからの問い合わせが増えるでしょう。

加瀬 洋 氏(アカウンティングフォース税理士法人 代表税理士 公認会計士)

経費を抑えることで創業支援は強力な武器になる

 「創業支援はお金にならない」と考えている税理士先生は多くいらっしゃると思います。もちろん、金額を高く設定できないのは事実です。

 しかし、その分は経費を抑えることで補えます。たとえば、提供するコンテンツをパッケージ化し、パワーポイントの資料を使い回すなどすると人件費を抑えることが可能です。

 また、経営者に「できる経営者はこのようなことをやっていますね」という言葉を添え、やってほしい会計業務を伝えると希望通りに動いてくれるでしょう。

 新規案件は紹介から獲得しています。お客様から紹介をもらうために一番重要なのは「依頼」をすることです。意識して伝えないと、紹介をもらうことは難しいですね。紹介依頼をするタイミングは、お客様が感動したときです。感動は、お客様に融資が下りたときだけでなく、契約が決まったときにも訪れます。

 「良い契約をすることができました」と伝え、紹介をお願いするといいでしょう。

 クロージングについては、面談の8割をヒアリング時間に当ててください。「現在」「過去」「未来」の順でヒアリングを行うと、経営者は積極的に話してくれるでしょう。最後に事務所のサービスを紹介し、相手の疑問・不安をなくすことができればクロージングを行えます。


記帳・経理代行実務研究会