会計事務所経営に役立つ情報
(2015年11月)

所長のお悩み相談室

顧問先とのコミュニケーションを活発化させる方法は?

Q.
 職員が顧問先のところに行って、どんなコミュニケーションを取っているか気になります。表面的な応対ばかりで、ニーズを聞き取っていないようにも思えます。何かいい方法はありませんか?

A.
 職員が顧問先と良好なコミュニケーションを取っているかどうかは気になるところ。1件1件同行して確かめるわけにもいきません。

 ある会計事務所では、職員と顧問先との関係を把握するためのバロメーターとして、紹介と保険提案の数を見ています。良好な関係を築いていれば、紹介や保険を頼みやすいからです。一方、顧問先とあまり良いコミュニケーションを取っていないと、紹介や保険を頼みづらいでしょう。

 営業活動が苦手な職員が多い事務所には、別のバロメーターがあります。それは、事務所通信です。

 ある会計事務所では、事務所通信の余白にコメント欄を設け、職員が担当の顧問先に手書きでコメントを書くようにしています。日ごろから積極的にコミュニケーションを取っている顧問先に対しては、多くのコメントを記入できます。一方、表面的な対応しかしていない顧問先に対しては、コメントの量が膨らまないものです。所長先生は、事務所通信のコメント欄に目を通し、コメント量の少ない職員に指導するとよいでしょう。すると、「良いコメントを書くために、もっとコミュニケーションを取ろう」と意識するでしょう。

 会計事務所の商品は、現場で顧問先と接する職員です。活発なコミュニケーションを取ることで、顧問料増額や新規顧客の紹介が得られるようになります。業務に停滞感がある事務所は、ぜひ、職員のコミュニケーション能力向上に力を入れてみてはいかがでしょう。

[お悩み解決のPOINT!]
職員が顧問先と良好なコミュニケーションを取っているかを知るには、紹介獲得数がわかりやすい
●事務所通信でのコメントがバロメーターになる


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