(2015年4月)
「実務が不安」「相続は専門外」という理由で顧問先を失わずに済む! 2015年1月1日の相続税と贈与税の改正によって、巷では相続への関心が一気に高まりました。相続に関する相談を顧問先から受ける機会が増えたでしょう。 これからの時代は、顧問先離れを防ぐという観点でも、相続業務に注力しなければいけなくなったのです。 改正後の相続実務対応に必要なカテゴリーを網羅 このたびの相続税の改正によって、相続税基礎控除額が引き下がりました。従来は相続税がかからなかった方でも、平成27年1月1日以降の相続からは相続税がかかるかもしれません。 これまで相続税の課税割合は4%台だったのが、6%台まで上がるという試算があります。東京などの大都市部で持ち家がある方ならば、かなりの確率で相続税の課税対象者になるとも推測されています。 「うちは相続税がかかるのか?」 「うちの空き地にアパートを建てると節税になるって、住宅会社から聞いたけど、本当なの?」 「俺が死んだら、いったん妻に全部相続させたほうがいいって友人から聞いたけど、実際はどうなの?」 「遠方に持っている不動産の相続登記がまだ済んでないんだけど、どうすればいいの?」 「何か特例を使うと、うちは相続税を払わなくていいって息子が言ってたけど、本当にそうなの?」 というように、顧問先との普段のやり取りで、相続に関する相談を受けることが多々あるでしょう。 そんなとき所長先生もしくは担当の職員さんが「相続はよく分かりません」なんてポロリと言ってしまったり、そういう態度を取ってしまうと、どうなるでしょう。 「この会計事務所は、いざというときに力になってくれない」 「相続について相談できる会計事務所に替えようかな」 というように、顧問契約を解除されかねません。 相続の相談や質問に的確に答えることが顧問先維持の条件 確かに少し前までは、相続は専門性の高い分野と見られており、積極的に扱う会計事務所は多くありませんでした。相続税の納税は、一部の富裕層に限られており、大半の会計事務所は「相続は専門外」とアナウンスしても、大きな支障はなかったと思われます。 しかし、相続税改正で相続が一般に広く認知されてからは、多くの会計事務所が相続に関する質問や相談を受けるようになりました。場合によっては不動産や登記など、実際に専門分野外の質問まで受けることがあるでしょう。 こうしたことから、既存顧問先に対して相続の相談や質問に的確に答え、さらに提案・フォロー・情報発信を行うことが、顧問先維持の条件になりつつあるのです。 ●これまで相続案件は年に1〜2回だったけれど、ここ最近相談が増えてきた
●相続が得意じゃない態度を取ったら、他の税理士に乗り換えられた このような会計事務所は、今からすぐに相続実務の基本をマスターしておく必要があるのです。相続マーケット拡大の大波に「乗るか」「のまれるか」、選択するのは今しかありません。 |