会計事務所経営に役立つ情報
(2014年12月)

国内クラウド市場、2015年度には1兆円超へ

8割の企業が新規システム構築時にクラウド検討

 2013年度の日本国内の企業クラウドサービス市場規模は、前年の5,102億円から22.6%増加の6,257億円へ成長した。

 株式会社MM総研が発表した市場規模・予測と需要動向の調査結果によると、国内クラウド市場は1年に平均23.6%ずつ成長し、2015年度には1兆円を超え、さらに2018年度には1兆8000億円規模まで拡大するとしている。

 こうした急成長は、企業の意識の変化によってもたらされたものだ。クラウドサービスを導入済みあるいは検討している法人に対して、新規にシステムを構築する際にクラウドの活用を検討するかを聞いたところ、検討すると答えた企業は前年の69.1%から78.1%となり、9%増加した。

 システムの採用・移行の際に、クラウドを優先して検討する「クラウドファースト」が定着してきたことが分かる。

 しかし、クラウドに対して不安を感じる企業が多いのも確かだ。

 特にセキュリティやコストに関しての不安は大きく、総務省が発表する平成26年度版情報通信白書でも、クラウドサービスを利用しない理由として挙がった「情報漏えいなどセキュリティに不安がある」「クラウドの導入に伴う既存システム改修コストが大きい」を合わせると60%に到達する。また、「必要がない」「メリットが分からない」といった回答も多い。

 だが、資本金50億円以上の企業では半数以上の企業が何らかのクラウドサービスを利用していることから考えても、クラウドをよく知らないまま「必要がない」と判断するのは時期尚早だろう。

 多彩なビジネスモデルが登場し、働き方が見直されているいま、いつでもどこでもデータにアクセスできビジネスが行えるクラウドは、働き方のみならず、都市と地方のあり方にさえ変化をもたらすものになりつつある。



2015会計事務所の経営白書(トレンド)