会計事務所経営に役立つ情報
(2014年6月)

平成26年度雇用関係助成金は大型予算注入

 平成26年度雇用関係助成金の概要が固まりました。今年度は例年にない大型予算が助成金にも反映されているのをご存知ですか。顧問先企業の多くも、これら助成金が活用できると思われます。こんなお得な情報を伝えないのはもったいないです。今回は深石圭介特定社会保険労務士が「平成26年度雇用関係助成金の法改正情報」について解説いたします。


セミナーや勉強会で最新情報を伝えよう

 平成25年度補正と平成26年度予算を合わせて100兆円以上という例年にない大型予算が組まれています。主に消費税増税対策のためですが、雇用関係助成金という限られた範囲にも、予算が大きく反映されています。

 平成26年度雇用関係助成金で、新設される助成金は以下になります。

ポジティブ・アクション能力アップ助成金→女性管理職を増やすための助成金です。
キャリア形成促進助成金「育休中・復職後等能力アップコース」→育児関連の助成金から教育の助成金になりました。
キャリア形成促進助成金「中小企業団体助成等コース」→団体向けのコースが新設されました。
労働移動支援助成金「受入れ人材育成支援奨励金」→再就職援助計画の対象となった人を受け入れるための助成金です。
育休復帰支援プラン助成金→「育休復帰プランナー」配置必要。平成26年10月1日からです。

 新しくつくられる助成金は、従来の助成金に付属したり、他の助成金からの鞍替えによるものが多いです。


3月1日から前倒しの助成金も存在

 続いて、要件が良くなる助成金を挙げてみます。なかには前年度にあたる3月1日から前倒しものがあるのが、これまでと違うところです。政府の気合が入っていることが伝わってきます。

トライアル雇用奨励金→ハローワークで通さなくてもよくなり、子育て女性、第2新卒も含みます。
労働移動支援助成金→従来のものが拡充され、旧来のタイプが復活し新しくできたものもあります。
キャリアアップ助成金→金額や人数が増え、コースの内容に厚みが出ました。
キャリア形成促進助成金→既存のコースも、大企業で受けられるものが増えました。
中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金→東京都、大阪府、神奈川県以外は全部受けられます。
職場意識改善助成金→テレワークを導入する企業に対して導入経費の一部を助成する措置を追加。
中小企業労働環境向上助成金→健康づくり制度が介護オンリーから重点分野に広がります。
求職者支援訓練→書類が多くなりますが、細かい要件は緩和されます。予算は増えます。
高年齢者雇用安定助成金→高齢者向け。細かいところで要件が緩和されます。
建設労働者確保育成助成金→なくなっていた「認定訓練」等が復活し、金額も増えます。
障害者トライアル雇用奨励金→精神障害者のトライアル雇用は、期間が3ヵ月から最大12ヵ月に拡大されます。
精神障害者等雇用安定奨励金→障害者本人のストレスケア講習の受講の助成金が加わります。
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金→民間事業者も経由できます。
障害者初回雇用奨励金→ハローワーク経由だけではなく、民間事業者も対象になります。

 これらの助成金は、細かいところで要件が緩和されています。

 セミナーや勉強会等を開いて、助成金の最新情報を顧問先に伝えると、顧客満足度が格段と向上します。早めに顧問先企業に伝え、助成金申請を提案しましょう。


平成26年度助成金セミナー開催キット