会計事務所経営に役立つ情報
(2014年3月)

成功を収めている会計事務所からノウハウを学べ!

 ビジネスモデルの転換期を迎えた会計業界。今、会計事務所がすべきことは、従来のやり方からの脱却である。営業方法やマーケティング施策など、自事務所で行っていないことを取り入れていかなければならない。

 そのヒントとなる雑誌が、アックスコンサルティングから発売された「THE会計事務所経営2014 新規獲得全特集50」。

 会計事務所経営の成功と成長の一端を担う一冊となれば、という思いから作られた雑誌だ。ここではその一部を紹介しよう。


「スモールビジネス」成功事例:
経営者のいちばんの悩みどころ「資金繰り指導に注力」


 「事務所は自分で3代目。50数期地元でやっています」と語る前田雅章氏は、常に間口を広げ、大阪港区を中心に神戸付近までお客様を増やしています。

 業種は選んでいませんが、なぜかスモールビジネスの引き合いが多いといいます。顧客の20%がスモールビジネスのお客様という同事務所。この成功はどこからきているのでしょう。

 「スタートはスモールビジネスでも、そこからその企業を大きくしていくことも我々の仕事だと思っています」と、前田氏が業務面で力を入れているのはお客様の資金繰り指導。多くのスモールビジネス経営者にとっては、いちばんの悩みどころです。

 資金繰りを改善したい、資金調達が上手くいくか不安など、日々悩んでいる経営者の皆様へ、「資金繰り・資金調達セカンドオピニオン」として支援を行っています。

 また、活動面でもアクティブさを見せています。地元の日本政策金融公庫で定期的に行っている一日公庫セミナーは人気が高いです。

 「お客様は新規も既存もいらっしゃいます。一日公庫はその日のうちに融資が決まりますし、セミナーでは公庫の融資課長にゲストスピーカーとして参加していただいています。どちらもお客様からの要望が高く、参加者の満足度も高いです。遠方からいらっしゃる方もいます。公庫の方々も好評なので、積極的に協力していただけます」

※前田税務会計事務所/Q-TAX大阪西店(大阪府大阪市)
  所長:前田雅章氏


「新設法人」成功事例
低料金でも利益を確保できる仕組み「1/3の顧客が選ぶ来所型スタイル」


 開業当初は月額顧問料を3万〜4万円レベルに設定。しかし思うようにいかず、1ヵ月で方向転換。インターネットによる低価格層の獲得にシフトしたという蔵田経営会計事務所。

 しかし、所長の蔵田陽一氏は世間的に言われる「格安会計事務所」とは一線を画す工夫を施すため、顧問先に事務所に来てもらう「来所型スタイル」を徹底。低料金でも利益を十分に確保できる仕組みをつくったのです。最初の面談から事務所に来てもらうことを説明し、訪問したら3万円、来所していただければ3分の1の1万円と話せば、ほとんどの方が事務所への来所を選ぶそうです。

 そのため、事務所での面談は3ヵ月に一度のケースが大半。面談以外は書類のやり取りとメールや電話でのコミュニケーションが中心になっています。そのため、メールの文面や電話のかけ方などにはこれまで以上に慎重になったといいます。

 また、蔵田経営会計事務所がオフィスを構えるのは東京都渋谷区。渋谷駅から徒歩3分と絶好の立地にあります。渋谷という立地にこだわる理由は、新設法人が多いことに尽きます。東京では渋谷区と港区で新設法人の数が増えているといいます。渋谷区の毎月の新設法人200〜300社のうち、1%を獲得できればいいという算段です。

 見事に新設法人狙いが的中した成功事例です。

※蔵田経営会計事務所(東京都渋谷区)
  所長:蔵田陽一氏