会計事務所経営に役立つ情報
(2014年1月)

会計業界の二極化が浮き彫りに

税理士法人は23%増 10人以下の事務所が減少

税理士事務所(個人+法人)の推移

税理士法人数の推移

個人事務所の推移

 グラフは総務省が発表した「経済センサス」の平成21年版と平成24年版を比較したものだ。

 個人事務所・税理士法人を合わせた総数は、平成24年の段階で27,945事務所。うち個人事務所が25,539事務所、税理士法人が2,406事務所となっている。

 平成21年と比較すると、個人事務所は5.9%(−1,603件)の減少となっているのに比べ、税理士法人は23.1%増(+451件)となり、わずか3年の間に急増している様子が見て取れる。

 これは、従業員別事務所割合を見ても裏付けられる。

 平成24年に存在する全国の会計事務所のうち、職員数が10名以上の事務所は9.8%(3,046件)。平成21年の経済センサスと比較すると9.2%から0.6%増え、数にして80事務所の増加となっている。

 一方、職員が1〜4人の事務所は20,220件から19,409件に、5〜9人の事務所は9.095件から8,758件に減少、小規模事務所が徐々に減少し始めている。


個人事務所は全県で減少 税理士法人は都市圏で急増

 税理士法人の設立数を県別に見てみると、大都市圏で急増しているのが分かる。

 平成21〜24年の間に、東京都で102件、愛知県で50件、大阪で39件の税理士法人が設立されており、神奈川県の31件、福岡県の20件、北海道の17件、埼玉県と新潟県の16件と続く。

 一方、個人事務所の減少には歯止めがかかる様子がない。

 減少率で見てみると、宮城県の−12.2%(−38件)を皮切りに、福島県の−11.7%(−20件)、青森県の−10.3%(−17件)がワースト3となっている。税理士法人の増加率とは対照的に、47都道府県すべてで減少しているのも印象深い。

 実数での減少が多い都道府県に目を向けると、東京都の−415件(−7.4%)、大阪府の−152件(−5.4%)、神奈川県の−85件(−5.3%)、愛知県の−67件(−3.2%)と、大都市圏で廃業している事務所が多い。

 顧客獲得競争の激化や年齢による引退を理由に業務を停止する事務所が増えている一方で、合併やアライアンスなど他事務所と手を組み業務を拡大する事務所の二極化がはっきりと見て取れるのがお分かりになるだろう。