会計事務所経営に役立つ情報
(2013年11月)

税理士を替える本当の理由から見る事務所改善のヒント

 「税理士業界ニュース」の人気連載のひとつである「コチラ、税理士替えたい110番」では、経営者がどんな理由で税理士を替えるのかについて綴られている。このたび、同連載をベースとしたDVD教材「『顧問先離れ』防止特別プログラム」が発売された。その内容の一部を紹介する。


最新の替えた理由のトップは「対応、態度が悪い」

 「コチラ、税理士替えたい110番」は、当社の顧問先紹介サービス「ビジネスマッチング」に寄せられる経営者の「税理士を替えたい」という声をもとに、実話をベースにしたフィクションとしてまとめている。

 DVD教材『「顧問先離れ」防止特別プログラム』を制作するにあたり、「コチラ、税理士替えたい110番」の第1〜37回までの内容をチェックしてみた。1事例で「税理士を替えた理由」を2つ挙げ、1番目の理由を5ポイント、2番目の理由を3ポイントとして、税理士を替える理由を集計した。

税理士を替える理由

 結果はグラフの通り。上位1〜4位は以下のようになった。

1位…対応、態度が悪い
2位…料金トラブル
2位…空気を読まない
4位…コミュニケーションが悪い

 今から10数年以上前の「税理士を替えた理由」で多かったのは「実務でミスをした」だった。会計事務所がミスをしたことが原因で損害を被り、税理士を替えるという事例が目立ったものだ。

 それが今から6〜7年ほど前には「コミュニケーションが悪い」という理由で税理士を替える理由が目立った。税理士や事務所職員とのコミュニケーションが少なかったりうまく取れなかったりして、業務に支障が出て、顧問契約を解除するという事例が多かった。

 現在はどうだろうか。もちろん「対応、態度が悪い」という理由は根強く残っているが、「料金トラブル」「空気を読まない」など、サービス業として芳しくない事象が上位に来るようになった。つまり、会計事務所を先生商売ではなくサービス業としてみなしている企業が増えたとも読み取れる。

 この結果を見て分かるように、「税理士を替えた理由」は時代とともに進化しているのだ。


若手経営者は税理士を取引先とみなしている

 現在の若手経営者は顧問税理士を「先生」とは思わず、数ある取引先のひとつととらえている。条件に合わない、サービスが悪い取引先との付き合いを中止するのと同じ感覚で、会計事務所との顧問契約を取引のひとつと考え、メリットがない取引は随時見直す傾向にあるという。

 顧問先が税理士を替える本当の理由は、なかなか知る機会がない。本当の「替えた理由」を分析することで、「顧問先離れ」を防ぐことができるのではないだろうか。


「顧問先離れ」防止特別プログラム