会計事務所経営に役立つ情報
(2013年8月)

顧問先に今すぐ教えてあげたい最新助成金

 平成25年度に入り、助成金のラインナップが大幅に刷新されました。今年度は「教育・正社員化」に関する助成金が新しく登場しています。

 成長を目指す業種・企業が人材教育を行うにあたって、資金を助成していく助成金が増えたのが大きな特徴です。顧問先に今すぐにでも教えてあげたい助成金も数々あります。

 今回は助成金のエキスパートとして知られる深石圭介特定社会保険労務士が、平成25年度最新助成金のひとつ「キャリアアップ助成金」について解説します。


多くの中小企業が該当しそうな「キャリアアップ助成金」とは?

 平成25年度は予算の重心が変化し、多くの企業への雇用維持・創業から、成長する会社、やる気のある会社への教育・若年正社員の増加へとシフトしました。

 平成25年度は「教育」に関する助成金が新しく登場しています。成長を目指す業種・企業が人材教育を行うにあたって、資金を助成していく助成金が増加しました。

 今回は新設助成金のなかから、多くの中小企業が該当しそうな「キャリアアップ助成金」の中身を紹介します。


若者を正社員として雇用して訓練を実施する際に支給

 キャリアアップ助成金は非正規社員(契約社員、パートタイマー、派遣社員)の方々のために、企業内でのキャリアアップ等を支援する事業主に対する助成制度です。6分野(有期契約労働者等の正規雇用への転換、人材育成、処遇改善、健康管理、短時間正社員制度、パート労働時間拡大促進)ありますうち2分野についてご紹介いたします。

 どれくらいの金額が助成されるのかは以下の通りです。

(1)正規雇用・無期雇用転換コース

 契約社員の方やパートタイマー、派遣社員の方が、正社員に昇格した場合の制度です。

●有期雇用→正規雇用
40万円(中小企業)
30万円(大企業)
10万円(母子・父子家庭加算)
●有期雇用→無期雇用
20万円(中小企業)
15万円(大企業)
 5万円(母子・父子家庭加算)
●無期雇用→正規雇用
20万円(中小企業)
15万円(大企業)
 5万円(母子・父子家庭加算)

(2)人材育成コース

 契約社員やパートの方を教育した場合の制度です。(1)と併給できます。

●有期実習型訓練で、OJTを含め、正社員を目指して教育する
●一般型訓練(時間数が20時間以上)はOJTなし
●OJT…賃金
受講者1人1時間
700円(中小企業)
700円(大企業)
●OFF-JT…賃金
受講者1人1時間
800円(中小企業)
500円(大企業)
●経費
20万円(中小企業)
15万円(大企業)

 受給のポイントは以下になります。

[正規雇用・無期雇用転換コース]
どのような社員を正社員にするかターゲットを絞ることが大事です。有期契約労働者等には、短時間労働者、派遣労働者を含みます。
無期雇用に転換する場合は、基本給を5%以上増額することが必要です。
派遣労働者については、派遣先の事業所で直接雇用される場合に助成します。
無期雇用への転換については、通算雇用期間3年以内の有期契約労働者に限ります。

[人材育成コース]
教育訓練の内容がポイントです。「有期実習型訓練」は3〜6ヵ月実施する必要があります。OFF-JTのカリキュラムは正社員並みか、やや上回るレベルで作成します。


平成25年度“大幅刷新”助成金速報