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近世の漁村における租税
(2016/02/26)

 租税専門家といわれる税理士は、他人の求めに応じ、租税に関して、税務代理、税務書類の作成、税務相談を行うことを業としている(税理士法2)。ところで、ここにいう「租税」とは何を意味するのか。税理士であれば、すべての租税についての事務を独占的に行うことができるのであろうか。

 実は、多くの個別税法について、税理士はこれらの事務を行うことができるのであるが、同じ租税でも、印紙税、登録免許税、関税、自動車重量税、電源開発促進税、とん税、特別とん税、狩猟税及び法定外普通税(道府県法定外普通税、市町村法定外普通税)並びに法定外目的税(その課税客体が売渡し又は引取りに係る物件等道府県たばこ税若しくは市町村たばこ税又は軽油引取税の課税客体に類するもので総務大臣が指定するもの)については、税理士業務の対象ではないとされているのである。

 税理士法は、税理士業務の対象となる租税については原則として国税及び地方税のすべてであるという基本的考え方に立ちつつも、税理士業務が独占業務である点から見て、その範囲は最小限のものにとどめるべきであるとして、税理士の援助を特に要しないと認められる税目については業務の対象から除外しているのである。

(出所:酒井克彦・税のしるべ平成24年3月26日号)