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税理士試験制度
(2015/03/25)

 一定の免除のケースを除けば(税理士法7、8)、税理士になるためには、税理士試験に合格しなければならない。

 私は、税理士試験科目に「民法」と「国税通則法」を入れるべきだと、それも必ず全員が受けなければならないものにすることを検討すべきと、試験制度に対する私見を有している。

 税理士は租税法に関する法律家として位置付けられるべきであるから、法律家としていかなる能力を必要とするのかという点から試験内容についての再構築をすべきではないかと思うのである。何よりも、とかく批判の強い、暗記中心の試験内容から一刻も早く離脱して、個別事例問題に対する事案解析能力、論理的思考力、法解釈・運用能力、論理構成力、文書表現力などを試すべきではないかと思う。当然ながら、法源性の認められない通達の知識などを問うものであっていいはずはない。試験会場で貸与された租税法の条文を使って、法的問題解決能力を試すのである。

 さらにいえば、司法試験や公認会計士試験における租税法科目については租税法学者が参加しているものの、税理士試験の租税法試験科目の出題者に租税法学者が参加していないのも大変気になるところである。

(出所:酒井克彦・税のしるべ3054号4頁)